2008年03月11日

ロス疑惑に思う■法論理に美々ルナ!!

結論を先に書くと、ロス疑惑は、最高裁判決で「無罪」が確定といっても、これは裁判官の「自由な裁量」に委ねられてのことで、真犯人の特定などで実質的な「無罪」が確定したわけではない。

書くまでもないことだが、狙撃犯が特定でき、その犯人が三浦容疑者と無関係であることが証明できてはじめて、「無罪」が確定のケースだ。
しかし、この事件の場合は、そうではない。保険金目当ての殺人としての状況証拠は揃っていながら、(共謀した)狙撃犯が誰かわからないからといって、「被告に有利」な判決が下っただけのことではないか。

法とは、ある意味非情な形式論理の運用によって成立する論理的な体系と考えているが、その方角的な欠点について、足早ではあるが、思うところを書くことにする。

△論理学的判断を超える事例(法論理に美々ルナ!!)

たとえば、倫理の教科書には、次のような非の打ち所のない推論形式が紹介してある。

a ソクラテスは、死ぬべき(人間的な)存在である。(大前提)
b ソクラテスは、人間である。(小前提)
c 故に、ソクラテスは、死すべき存在である。(結論)

これに対して、私たちは、「しかし」と前置きして、「ソクラテスは、死後に名を残した哲学者である」と、論理学的な判断を超える判断を持つことができるわけだ。

もう一例だけ挙げてみよう。

a 雨が降ると、道が悪くなる。(大前提)
b 雨が降った。(小前提)
c 故に、道が悪い。(結論)
(d しかし、歩いてゆけなくはない)

見られるように、形式的な論理(あるいは、法という法)というものは、「しかし」文脈の導入によって、その論理的な判断は、大本の前提や原則の不断なる見直しが迫られているということだ。


△「一事不審理」の原則は、「新証拠」を前にしては、原則崩壊が当然の理

ロス疑惑の場合、仮に「真犯人」が見つかったにもかかわらず、「無罪」が確定しているのだからと、
審議拒否を貫くというは、不条理の極みというべきものだ。

「原則」は、「原則」であって、「絶対」的なものでないことを信じたい。、

しかし、これまでの報道に接する限りでは、ロス市警は「真犯人」の特定に結びつくような「新証拠」の提出の可能性は低く、加法の「共謀罪」の適用で、立件の方針か。

これに対して立ちはだかる原則が「過去不遡及」である。
確かに、27年前の事件に対して、加法の改正は21世紀に入ってのことだから、分が悪いといえる。

この点に関しては、ロス市警は日本にはない「共謀罪」の適用を巡って、審議が尽くされていないから、刑罰遡及が可能としているのかな。

やはり、「新証拠」が鍵と見るべきか。


△弘中弁護士の弁護活動は、本末転倒的且つ守備範囲を逸脱?

裁判を傍聴していつも思うことは、本末転倒の審議が繰り返されていることだ。
いつまでも枝葉末節の議論に終始していては、興ざめする。

たとえば、「真犯人は誰か?」とテーマ化した場合、これは犯人A とは別に犯人Bがいるという議論を指すのではない。
犯人はAに違いないが、Aの中の誰が「真犯人か?」と問題化しているのだ。

本来、「責任主体論」として議論してしかるべきところを「準体」的な犯罪責任論でもって、正義の行使と満足しているのをみて、遅れていると思うのは私ぐらいのものか。

次は、関連のニュース。



■三浦容疑者に強い味方?セレブ御用達辣腕弁護士03/08 21:20更新iza

記事本文 1981年にロサンゼルスで起きた銃撃事件で、日本で無罪確定後にサイパンで逮捕された元会社社長、三浦和義容疑者(60)の弁護をかってでたロサンゼルスのマーク・ゲラゴス弁護士は、これまで刑事裁判に直面した数々のセレブ(有名人)の弁護を引き受け、「法曹界の闘犬」(米ABCテレビ)とも形容される辣腕(らつわん)弁護士だ。

 未成年者への性的虐待の罪に問われた歌手、マイケル・ジャクソン氏の弁護を一時担当し、無罪評決につなげた。また、女優のウィノナ・ライダーさんが万引で窃盗罪に問われた際にも、保護観察処分にとどめることに成功している。

 米メディアによると、ゲラゴス氏の報酬は1時間当たり500ドル以上とされる。ただ、報酬だけで動くわけではないようで、ほぼ無報酬と思われる事件を引き受けたことも。その一つが、2002年にカリフォルニア州で身重の女性が遺体で発見され、夫が殺人罪に問われた事件。ゲラゴス氏は自ら被告に働きかける形で弁護を引き受け、注目を集めた経緯がある。

 7日、日本の報道陣の前に現れたゲラゴス氏は短い声明を読み上げただけで、三浦容疑者の弁護を引き受けた経緯や報酬などには一切触れなかった。(松尾理也)


■「一事不再理が争点に」…三浦元社長弁護人が指摘
三浦元社長の裁判について、報道陣の質問に答えるバーライン弁護士=吉岡毅撮影
 【サイパン=山下昌一、ロサンゼルス=藤山純久】1981年のロス疑惑「一美さん銃撃事件」を巡り、米自治領サイパンで逮捕された元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)の弁護人に選任されたブルース・バーライン氏は1日、報道陣に対し、「事件当時のカリフォルニア州刑法では、(同じ犯罪で2度刑事責任を問われないという)一事不再理の原則が外国の判決にも適用されていた」と指摘した。

 その上で、2003年3月に日本で無罪が確定している三浦元社長を再び同州で裁けるかが、今後の争点になるとの見方を示した。

 米国の多くの州では、一事不再理の原則は州内のみに適用され、外国で判決が確定していても、同じ罪で再び裁くことが可能だ。しかし、カリフォルニア州の刑法には04年まで、他の州や外国で判決が確定した場合は再び裁判にかけることはできないという、被告に有利な規定があった。

 ところが、同州では近年、隣接するメキシコへの凶悪犯の逃走が社会問題化。ロサンゼルス市郊外で警察官を射殺した容疑者がメキシコに逃亡した02年の事件を受けて、04年9月に州刑法が改正され、外国での裁判については一事不再理の原則が及ばなくなった。これが、ロサンゼルス市警が三浦元社長の刑事責任追及に再度乗り出すきっかけにもなったという。

 ただ、一美さん銃撃事件の発生や三浦元社長の無罪確定は改正前。米国では日本と同様、法制定前の事件については、さかのぼって罪に問う事ができないという「刑罰不遡及(そきゅう)の原則」が憲法で定められている。

 バーライン氏は、「(弁護人という立場から)改正法が過去にさかのぼって適用されるかどうか研究中だ」とし、カリフォルニア州への移送の是非を判断するサイパンでの審理や、移送後の同州の法廷では「この点が大きな争点になるだろう」と述べた。

 04年の法改正が、一美さん銃撃事件にも及ぶかどうかについて、ロサンゼルスにあるロヨラ大学ロースクールのローリー・レベンソン教授は「激しい議論になる。司法判断を仰ぐしかない」と語る。

 一方、事件当時の米捜査関係者は、三浦元社長が、殺人容疑だけでなく「共謀罪」でも立件されている点を指摘。「共謀罪は日本の法律にはなく、いまだに裁かれていない犯罪として、こちらで裁くことは可能だ」と話している。

(2008年3月2日03時08分 読売新聞)


■三浦元社長:裁判費用などで支援カンパ募る…弘中弁護士
 81年のロス銃撃事件を巡り、サイパン島で身柄を拘束されている元輸入雑貨販売会社社長、三浦和義容疑者(60)について、元社長の弁護人だった弘中惇一郎弁護士は8日、裁判費用などをサポートするため、支援者からカンパを募る考えを明らかにした。

 元社長のカリフォルニア州への移送をめぐる審理は長期化する見通しで、多額の裁判費用がかかることが予想される。弘中弁護士は「支援者にもサポートの輪を広げていきたい」と述べた。

 また、弘中弁護士が三浦元社長の妻にカンパの件を伝えたところ、妻は「よろしくお願いします。ありがとうございます」と話したという。【古関俊樹】

毎日新聞 2008年3月8日 11時21分 (最終更新時間 3月8日 11時46分)


■三浦元社長:米司法省、法務省に捜査協力を非公式打診
 81年のロス銃撃事件を巡り、サイパン島(米自治領)で身柄を拘束されている元輸入雑貨販売会社社長、三浦和義容疑者(60)について、米司法省が法務省に対し非公式に捜査協力を打診していたことが分かった。米司法省は近く、資料提供などを含めた正式要請に踏み切るとみられる。日本の関係当局に米側から接触した事実が明らかになったのは初めて。

 三浦元社長は日本の裁判で無罪が確定しており、判決が確定した事件について再び刑事責任を問わない「一事不再理」の原則に反するとの指摘も出ている。しかし、鳩山邦夫法相は「一般論としていえば、米国と結んでいる条約では、無罪判決が確定していることが直ちに捜査協力を拒否する理由とはならない」として、米側からの正式要請があれば対応を検討するとの姿勢をみせていた。

 これに対し、元社長の弁護を担当した弘中惇一郎弁護士らは7日、法務省などに要請に応じないよう申し入れている。
posted by 9組の秋六 at 04:53| 福岡 | Comment(0) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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