2008年07月17日

非英雄論■アキバ事件について、私はこう思いますC■加藤智大容疑者の場合

加藤智大容疑者の場合■自己・非「確立」者の、あ〜あ、巣立ち■”ブランク”を生きた、あ〜あ、モラトリアム人間

 仮に、それが”巣立ち”といいうるならば、それまでの彼容疑者の生は、助走期間を生きていただけということになります。
 とすれば、その非英雄の自己は、終生モラトリアム人間だったといえるはずです。

 ですから、とかでなくて、この点にテーマを絞って書くことにします。

 容疑者の経歴を見て、真っ先に思ったことは、懲りずに巣立ち(この場合は、「転職」)を何度も繰り返す、車好きの若鳥。
 次に、何を目的に生きているのか、首を傾げたくなりました。

 というのは、人並みの「自己確立」が人生の目的であるのならば、真っ先に将来的に中産クラスの高収入が見込めそうな安定した会社を選んで就職するはずが、なぜか、派遣会社を選んでいます。
 それも容疑者の場合、有名進学校を卒業後、岐阜の短期工業大学に入学。そして2年後には、同大卒業というわけですから、社会人としての”巣立ち”を2年間ずらした分、満を持しての”巣立ち”と、誰だって思いますよね。ところが、着地先が工事現場での「車両の誘導」係、つまり、ガードマンなわけですから、呆れてしまいます。

 ガードマンという職種は、他所で戦力外通告を受けたOBの受け皿で、仕方なくやるような低賃金の仕事なわけですよ。ですから、新卒の身でガードマンっていうのは、明らかにミスマッチ。

 この時点で、朝日の当たる方向ではなく、夕日の沈む方向に向かって、巣立ったってことですよね。

 すぐに辞めるものと思っていたら、1年半も勤続。よほど居心地がよかったのでしょう。
 その時の退職理由が「自動車関係の仕事がしたい」というから、またしても呆れ返ります。
 というのは、車が好きで、車関係の短大に入っているわけだから、卒業後の就職先は、車関係と決まっているのに、わざわざ進路を変更して、しばらく勤めると、新卒の状態に巻き戻したいから「辞める」っていうわけですから、早く言えば、時間をリセットするようなものでしょう。

 この点について、思索を巡らしてみましたら、自動車整備で手を油で汚したくないのかなと思いました。

■2001年3月 - 青森高校卒業(北海道大学工学部受験失敗)
2001年4月 - 岐阜県 自動車整備士などを養成する中日本自動車短期大学(岐阜県坂祝町)の自動車工学科に入学、エンジンの構造や車体整備技術を学んだ
02年夏以降(専2) - バイク部に所属し、仲間とツーリングやバイク整備などを楽しんでいる様子だった
02年秋 - 2級自動車整備士を受験する際に実技試験が免除される講座の出席日数が足りなかった。個人面談で進路について尋ねると、教員を目指したいと話し、卒業直前の進学調査では弘前大(青森県弘前市)に進む希望を示した。結局、編入はかなわず、短大を卒業
2003年3月 - 岐阜県 専門学校を無資格で卒業 弘前大学編入希望もダメ
(『名探偵蒙裡胡伍浪之名推理教室』 より引用)


 上の引用にありますように、整備士を養成する短大に入学しながら、「出席日数が足り」ず、「無資格で卒業」しています。
 これまでの報道の伝える、容疑者の無欠勤のまじめ人間というイメージからは、考えにくいことです。ですが、その理由が「手を汚さない」ということであれば、そういう時の実技講座に限って欠席を続けた可能性は大です。その結果が、「出席日数が足り」ず、「無資格で卒業」ということでしょう。
 まるで高校新卒の状態に、時間をさらに巻き戻したみたいです。ですから、容疑者にとって、短大時代は”ブランク”でしかなかったことになり、モラトリアム人間としての「助走期間」の意味が失われます。

ブランクを生きる■とは、容疑者のように専門学校に入りながら、卒業後はその専門知識を何ら必要としない別の仕事に就いた場合、彼の学生時代は「ブランクを生きた」といえると思います。

 では、高校時代は、どうだったのでしょうか?

■中学時代はクラスのリーダー的存在で、ソフトテニス部でも活躍していた加藤容疑者。高校は、県内最難関で、大学進学率が高い進学校に入学する。ただ、すんなりと入学に至ったわけではないようだ。加藤容疑者は中学時代から家庭内で暴れていたという。「母親が教育に厳しかったから、反発する気持ちが強かったんじゃないだろうか」。近所の女性は、加藤容疑者の心情をこう代弁する。
印象薄い」秀才の転落 秋葉原通り魔事件の加藤容疑者06/10 10:27更新iza

■秀才といわれてきた加藤容疑者も、高校に入学すると、目立たない生徒になった。加藤容疑者が在学した学年の副主任だった男性教頭(59)は「卒業アルバムを見て思いだした。校内でも家庭でもトラブルもなかった。理系で成績も悪くなく、目立たず、印象が薄く、ごく普通の子だった」という。「今でも信じられないし、うそであってほしいと思っている」。イメージと犯行とのギャップに教頭は困惑を隠せない。(同上)

■だが、このころから、加藤容疑者の様子が変わってきたとみる知人もいる。息子が加藤容疑者の同級生だったという女性は「加藤容疑者が高校に入ってから、何かマニアックな部分が出てきたと聞いたことがある」と話した。(同上)


 上の引用からは、容疑者の携帯サイト掲示板に書き込んだと噂の立つ「成績は、ビリ」という言葉は、ありません。
 ただ、「目立たない生徒になった」という言葉は、宮崎勤を髣髴させます。
 ご存知のように、宮崎も進学校として名高い明大付属中野高校に入学後、「目立たない生徒」と失速し、卒業すると、4年制の大学ではなく、2年制の短期大学に進んでいます。

 モラトリアム人間にとって、モラトリアムの期間が短縮されるというのは、非常に我慢ならぬものですから、後に、借金をして支払期限が過ぎても、[借りた金は返さなくてもいい?」みたいな身勝手な・親不孝の論理を身に付けるのではないでしょうか。

 つまり、[親から借りた金は返さなくてもいい」という意味なんですけど。

 書くまでもなく、お二人の高校時代は、同じように[ブランク」を生きています。

ねじれた学生生活と不良デビュー■入学した時の顔と、卒業したときの顔がまるで異なるというのは、言い換えますと、その間の時間は、ねじれていたということですよね。

 もし彼がその時間を自分で捻じ曲げようとするならば、不良デビューしてでも、その間の、嫌々ながらのブランクを引き受け、いわば死んだふりをして生きているはずです。
 その代わり、巣立った後の彼ら不良は、自らのブランク(脛の傷も含めて)を消そうとして、たとえ着地先が建設作業員であっても、ブランクがエネルギー源となって、人一倍の頑張りが利くのではないしょうか。

 ですから、ねじれた時間をねじれたまま過ごしていたことが、後に何かしら大きな問題を残すことにつながったのではないでしょうか。

 宮崎の場合は、短大を卒業すると学んだ専門知識を活かせる仕事に就いた関係で、[ブランク]が見えにくくなっています。しかし、その後が大変、無気力な仕事ぶりで、やがて解雇を言い渡されます。

 この仕事への熱意のなさは、やはり、「手の汚れ」に関係すると見ています。

[大人になれない」二人は、巣立っても[ブランクを生きた」ことによって、中学生時代に逆戻りしたといえるのではないでしょうか。

転職と炎上■
その後の加藤容疑者の足取りは、1999年9月8日に池袋通り魔殺傷事件を起こした造田博と似たような転職の日々を繰り返して、不満を募らせて、最後には、炎上。

 造田博は、「努力しない人」に対して怒っていました。
 加藤智大容疑者の場合は、どうなんでしょう。
 夢を語っても、その夢を実現するべく努力は、はじめから欠いていて、夢だけを持しているように思いました。
 「トラックの運転手になりたい」っていうのは、夢というには漠然としています。
 子供の口にする夢に近いのではないでしょうか。

 この点にも注意する必要があります。というのは、たとえば、工事現場にいて、「晴れているから、ドライブでもしたいな」と、そばにいた同僚に向かって言ったとします。
 これに対して、聞き手からのリアクションがあれば、別の展開も考えられるわけですが、なかった場合、それが彼送り手の「夢」や「希望」と確定してしまうおそれがあります。

「こんな仕事なんか、アホクサ〜」「やめて〜」という気持ちを伝えたいと思っていたかもしれないし、「君は?」という問いかけを次に用意した、単なる吐露だってことも否定できません。お見合いの席にいるみたいに、黙っているのもなんだからと思って、ちょっとの感じで仕掛けてみただけかもしれません。あるいは、わかりやすいように、心を開いて見せたのかもしれません。しかし、無反応?

 次の記事は、容疑者の素顔を余すところなく伝えていて、思わず、「ゴッツアン」と叫びたくなりました。


■秋葉原通り魔の素顔…ロリコン、スピード狂 携帯片手に2ちゃん書き込み「2Dしか興味ない」
06/09 19:27更新iza

関連記事ありフォト(18)ブログ(323)
記事本文 同僚は加藤智大容疑者(25)を、アキバ系ロリコンオタクだったと証言する。日ごろは温厚な半面、スピード狂でバーチャル世界にのめり込み、突然キレるなど、犯行につながる側面も見せていた。父親との確執を漏らしていたこともあり、3月に起きた茨城連続殺傷事件に触発された可能性も浮上している。
 青森県出身の加藤容疑者は製造業派遣大手「日研総業」(東京)に昨年11月登録、静岡県内の自動車部品工場に派遣され、裾野市にある単身用アパートに入居していた。
 加藤容疑者と同僚男性(21)はすぐにうち解けた。麻雀に飲み会と、毎週のように遊んだ。親交を深めるなか、男性は容疑者の特異な趣味に気付いたという。
 「(加藤容疑者の)部屋はモノもなく、殺風景。ただ、同人マンガ誌が数冊置いてあった。カラオケに行ったときに歌うのはロリコン系のアニメソングばかり。『2D(アニメなど2次元世界)しか興味ない』と公言していたし、典型的なロリコンオタクでした」
 だが、後輩への面倒見が良かった加藤容疑者への信頼が変わることはなく、親交は続いた。「アキバ好き」を公言していた加藤容疑者は男性ら同僚を連れて秋葉原へ繰り出し、メイド喫茶などを案内。「まあ、こんな感じですよ」と得意顔だったという。
 いつも携帯片手に掲示板「2ちゃんねる」をチェック。自らのハンドルネームを持ち、頻繁に書き込みを行っていたようだ。
 2ちゃんねるのゲーム機を議論するスレッドに5月27日、≪秋葉原で忍者姿の痴漢が刀振り回し大惨事!≫とのタイトルで、≪6/5以降絶対事件起こるだろうから先に立てとくね≫と、今回の犯行予告を思わせる書き込みがあった。加藤容疑者は急にキレることがあったというが、6月5日は容疑者が激昂して会社を飛び出した日だった。
 加藤容疑者は友人(22)に対し、茨城・土浦市連続殺傷事件で逮捕された金川真大被告(24)が熱狂的ファンだった美少女同士の対戦ゲームの画像を送信。ゲームを通じ、金川被告の犯行を意識していた可能性が浮かんでいる。
 一方で、同僚男性は加藤容疑者のスピード狂の一面について「富士スピードウェイや平塚のサーキット場に連れて行ってもらった。一緒にカートに乗ってタイムを競ったんだけど、とんでもなく速かった。以前はスポーツカーのGTRに乗ってたとも言っていた」と証言。別の同僚(21)には「将来トラック関係の仕事に就きたい」と夢を語ることもあったという。
 友人らが「いつもポーカーフェース」と称する加藤容疑者も時折、心に抱えた悩みを垣間見せることがあった。「昨年の年末、自宅まで送ってもらったとき、ポツリと言ったんです。『親が借金を重ねるから、青森から飛んだ。ろくでもねえオヤジだ…』」(同)
 前述の男性と身の上話をしたときには「事故をして廃車になった車のローンが残っている。でも、自動車会社と納得できないイザコザがあったし、家賃も数カ月滞納していたが、両方踏み倒してきた」と吐露。「飛んできたから車も買えない」と愚痴をこぼし、「いなくなるときは何も言わないで飛ぶから」と失踪をほのめかしていた。


 この後に予定の造田博論なんですが、通り魔殺人事件とは、自己と似て非なる他者へのアイデンティティ殺人事件ではないかと思いました。

追記■経歴は、『名探偵蒙裡胡伍浪之名推理教室』 の「秋葉原通り魔事件〈一六〉−<資料まとめ>加藤智大の経歴から」を参考にしました。

URA:http://blogs.yahoo.co.jp/eraser1eraser/55428303.html
posted by 9組の秋六 at 02:22| 福岡 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/103031044

この記事へのトラックバック